地方路線に新たな試練…利用落ち込みを招いたコロナ禍の暗い影

鉄道

おはようございます。Local Trainです。

本日は、コロナ禍で利用客の落ち込みが鮮明になっていると報道された、NHKのJR西日本のニュースを取り上げたいと思います。

元々、少子化に伴う人口減の影響で、利用客の減少が懸念されている鉄道各社。

そんな状況に追い討ちをかける形となったコロナ禍の影響は、鉄道各社の経営環境にますます深い影を落としているようです。

鉄道ファンとしては忸怩たる思いですが、こればかりは個人で憤ってみたところで何の解決にもなりません。

今回のJR西日本の地方路線に対する考え方を聞いて、改めて我々一人一人が地方交通に対して何ができるのかを考えてみたいと思います。

今期も最終赤字のJR西日本

JR西日本は、人口減少やコロナ禍で利用者が特に少なくなっている地方路線の一部について、これまで明らかにしてこなかった線区ごとの収支の状況を、初めて公表する方針を固めたことが関係者への取材でわかりました。

引用元 : NHKニュースWEB

このニュースを耳にして、地方路線を中心にまた廃止論議が湧き上がることになるのかな、と嫌な胸騒ぎを覚えました。

思い起こせば、4年前の2018年3月31日を最後に全線廃止となった、JR西日本の三江線のことが頭をよぎります。

関西に住む身であれば、休みの日にちょっと足を伸ばせば乗れるはずだったのに、結局一度も乗れぬまま廃止を迎えてしまったのでした。

私の鉄道ファンとしての歩みの歴史は、常に地方ローカル線の廃止と背中合わせと言っても過言ではありません。

もちろん廃止直前に何とか乗れた路線もいくつかありましたが、大半は間に合わないまま廃止のニュースを寂しく聞いてきたのが事実です。

47都道府県全て旅してきたはずなのに、全線完乗には至れていない中途半端さがこれまでの私にはあったので、今後は必ず…と思っていた矢先の、今回のこのニュースです。

ただ、下記の理由を聞けば、JR西日本さんを責めることなどできるはずもありません。

JR西日本はコロナ禍による鉄道旅客の低迷で昨年度の2332億円の最終赤字に続き、今年度も最大で1165億円の最終赤字になるという見通しを示しています。そのため、ことし4月以降で、1日に平均何人を運んだかを示す「輸送密度」が2000人に満たない線区を対象に、沿線自治体などとともに利用促進策のほか、バス路線への転換も含め、今後のあり方についての議論を加速させたい考えとみられます。

引用元 : NHKニュースWEB

地方路線の赤字幅は、予想以上に厳しいようです…

一日平均輸送密度が2000人未満の路線が危ない

今回対象となる「2000人未満の輸送密度路線」ですが、まだ具体的に路線名は発表されていないため、どこまでの地方路線を言っているのかは定かではありませんが、対象区間は少なくないと思います。

都会なら2000人なんて、数列車の乗車人員で到達しそうな数だと思いますが、裏を返せばその数さえもいかない路線は、営業を続けることが厳しいということですね…。

関西の鉄道情報で言えば、北大阪急行電鉄が千里中央駅からの延伸工事を進めていますし、大阪モノレールも門真市駅からの延伸工事を進めています。

そんな新線工事が進められている地域がある一方で、もう一方ではせっかく線路が敷いてあるものを無くしてしまう決断をする。

事情を知らない野生動物が聞いたら、「人間って馬鹿だ」と言ってきそうな矛盾行為が、経済を背景として生きている我々人間社会には時として存在してしまいます。

「そこにあるものを、なくすのは簡単、新たに作ることが難しく、続けることはもっと難しい

という言葉は、私の座右の銘の一つでして、なんとか廃止せずに解決できないものかと思います。

都会からの応援手段

地方路線の交通手段についての問題点は、鉄道に限ったものではありません。

鉄道に置き換えて営業するバスにしても、鉄道よりは維持経費が安いというだけで、利用者が少なければ経営が厳しいことにかわりはないわけで、少子高齢化や過疎化が進む地方ほど公共交通に関して解決しなければならない問題は山積しています。

一番手っ取り早く行われている解決策が、国や地方自治体からの補助金ですが、これだけに頼っていくことに限界があることは周知の通りです。

利用促進といっても、元々の人口が少なければ、この方法にも限界があります。

この地方路線の問題は、都会に住んでいる我々一人一人も人ごとではなく、もっとみんなで日本全体のことを考えなければいけない試金石のような気がします。

それこそ、ネットがここまで充実した世の中です。

補助金も元を正せば我々の税金の一部ですし、そう考えたらもっとネットを活用することによって、地方路線の経営を助ける手立ては考えられると思いますね。

まとめ

最近、「地方鉄道に対してクラウドファンディングが実行されて成功した」というニュースを、時おり耳にします。

「地震や豪雨被害にあった鉄道会社に対して、ネット通販を通じて売上応援した」という声も聞きます。

そんな応援活動を、誰しもがもっと分かりやすく参加できるシステムが構築できれば、それが地方交通に対する問題解決の一つとなるのではないでしょうか。

明治以降の誇るべき先人の方々が、苦労して築き上げてきた日本の鉄道網。

その鉄路をこれ以上、錆びさせないようにしていきたいものです。

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